- 不動産売買契約書ってどこで貰えるの?
- 不動産売買契約書を紛失してしまった……
- 売買契約書のチェックするポイントを知りたい!
不動産売買を控えている方で、このような疑問や願望を抱いている方も多いのではないでしょうか。
不動産売買契約書は、不動産取引をするうえで必須な書類であり、不動産取引に関する重要な事項が記載されています。
しかし、その内容や取得方法などを理解していない人も少なくありません。
そこでこの記事では、不動産売買契約書の貰い方や見るべきポイントなどを詳しく解説します。
不動産売買が不安な方や売買契約書を自分でチェックしたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
不動産売買契約書とは
不動産売買契約書は、不動産の売主と買主が取引条件を明確にし、トラブルを防ぐための重要な書類です。
売買する物件の所在地や面積、売買代金、支払い方法、引き渡し時期などが詳しく記載されます。
また、手付金の額や解除条件、物件に関する特記事項なども含まれます。
これらの情報を明確にすることで、双方が安心して取引を進められます。
特に初心者の方は契約内容を十分に理解し、不明点は専門家に確認することが大切です。
不動産売買契約書はどこでもらえる?
不動産売買契約書は以下の場所で貰えます。
- 仲介先の不動産会社
- 法務局
- 司法書士・弁護士事務所
貰う方法を詳しく解説します。
仲介先の不動産会社
一般的なのは、仲介依頼した不動産会社から貰う方法です。
具体的には、買主との売買契約時に担当者から渡されます。
法務局
法務局でも売買契約書を貰えます。
法務局の窓口で「不動産売買契約書のひな形が欲しい」と伝えると、無料で提供してもらえます。
ただし、事前に各法務局のホームページで窓口相談の予約が必要な場合があります。
予約方法は、各法務局のホームページで確認しましょう。
司法書士・弁護士事務所
不動産の売買契約書は、司法書士や弁護士の事務所でも作成してもらえます。
これらの専門家は、契約書の作成や内容の確認を通じて、取引が適切に行われるようサポートしてくれるのが特徴です。
また、物件の詳細や取引条件を伝えることで代わりに作成までしてくれます。
法律の専門家ならではの知識と経験を活かして、トラブルのない売買契約書を作成してくれます。
不動産売買契約書が必要な場面
不動産売買契約書が必要な場面は以下のとおりです。
- 売買契約時
- 代金決済時
- 確定申告時
それぞれを詳しく解説します。
売買契約時
不動産売買契約書は、買主との売買契約時に必要です。
売買契約時に契約書を交わすことで取引内容を明確にできたり契約後のトラブルを防いだりできます。
不動産売買は高額な取引となる場合が多く、契約後にトラブルへ発展するケースも少なくありません。
安心・安全に取引するためにも、売買契約時は契約書の内容をしっかり確認しておきましょう。
代金決済時
代金決済時にも不動産売買契約書が必要です。
売買契約書には、売買価格や代金の支払い方法、支払い時期などが記載されています。
そのため、代金決済時にも契約書が必要となります。
確定申告時
確定申告する際にも不動産売買契約書が必要です。
不動産を売却して利益(譲渡所得)を得た場合、翌年に確定申告して納税しなければなりません。
譲渡所得は、売却価格から購入時の価格や売却にかかった費用を差し引いて算出します。
この計算をおこなう際、購入時と売却時の契約書が必要となります。
これらの契約書がないと正確な取得費や譲渡費用を証明できず、結果として税金が増える可能性があります。
そのため、確定申告時には不動産売買契約書を必ず用意しましょう。
不動産売買契約書を紛失した場合の対処法
不動産売買契約書を紛失した場合は以下の対処法を試しましょう。
- 仲介先の不動産会社へ問い合わせる
- 司法書士・弁護士へ相談する
- 買主へ相談する
それぞれを詳しく解説します。
仲介先の不動産会社へ問い合わせる
不動産売買契約書を紛失した場合、まず最初に購入時に仲介を担当した不動産会社に連絡しましょう。
不動産会社は、取引に関する書類を10~20年間保管するのが一般的であり、連絡すれば貰えるかもしれません。
宅建業者が不動産取引で使用した関係書類の保存期間の定めはないが、取引完了時から10年間もしくは20年間保存している宅建業者が多いようである。
引用:公益財団法人 不動産流通推進センター 「宅建業者が業務で作成、使用した取引関連書類の保存期間」
連絡時には、契約書が必要な理由を具体的に伝えると、よりスムーズに対応してもらえるでしょう。
ただし、保管期間が過ぎている場合や会社が倒産している場合など、契約書が入手できない場合もあります。
その際は、購入時の領収書や通帳の振込履歴など、購入金額が確認できる他の書類を探してみてください。
これらの書類が揃えば、契約書の代替として使用できる場合があります。
司法書士・弁護士へ相談する
仲介先の不動産会社へ問い合わせても入手できない場合は、司法書士・弁護士へ相談しましょう。
これらの専門家は、契約書がない状況での適切な対処法をアドバイスしてくれます。
また、再発行手続きや必要な書類の準備など、具体的なサポートを受けることができます。
買主へ相談する
上記の方法でも入手できない場合は買主へ相談してみましょう。
買主が売買契約書を持っている可能性があるからです。
もし、持っていれば売買契約書のコピーを貰うことで代用できます。
不動産売買契約書に記載されている事項一覧
不動産売買契約書には以下の事項が記載されています。
記載事項 | 概要 |
---|---|
物件の詳細情報 | ・土地や建物の所在地 ・面積 ・用途 |
売買代金と支払い方法 | ・物件の価格 ・支払いのタイミング(手付金、中間金、残金など)および支払い方法(現金、振込など) |
手付金の額と解除条件 | 手付金の金額や、契約解除が可能な期限と条件 |
ローン利用の条件 | 買主が住宅ローンを利用する場合、その申込先、承認予定日、融資金額など |
物件の状態に関する告知 | 物件の現状や特記事項について |
所有権の移転と引渡しの時期 | ・所有権の移転日 ・物件の引渡し日 ・登記手続きの方法とその費用負担者 |
既存の権利や負担の処理 | ・物件に設定されている抵当権や賃借権などの権利 ・だれが負担するのか |
税金や収益の分担 | 固定資産税などの税金や、物件から生じる収益の分担方法 |
契約内容に適合しない場合の責任 | 物件が契約内容と異なる場合の対応や、売主の責任範囲 |
災害などによるリスク負担 | 契約後に災害などで物件が損壊した場合の責任の所在 |
これらの項目をしっかり確認し、理解することで不動産取引を安心して進められます。
不明な点があれば、専門家へ相談しましょう。
不動産売買契約書を確認するうえでの重要なポイント
不動産売買契約書を確認するうえで、特に以下のポイントは重要です。
- 売買代金と支払い条件
- 手付金の条件
- 物件の引き渡し条件
- 瑕疵担保責任や契約不適合責任
- 違約金や損害賠償
不動産売買契約書を確認する際の参考にしてみてください。
売買代金と支払い条件
不動産売買契約書を確認する際、特に重要なのは「売買代金」と「支払い条件」です。
売買代金については、事前に合意した金額と一致しているか確認しましょう。また、同じ地域や条件の物件と比較して適正な価格であるかも重要です。
支払い条件については、支払い方法やスケジュールを確認します。
手付金の額や支払い時期、残代金の支払い方法と期日が明確に記載されているか確認しましょう。
手付金は一般的に売買代金の5%から10%程度とされています。
また、支払いが複数回に分かれる場合、それぞれの支払日や金額に誤りがないか注意深く確認することが大切です。
売買代金の支払い方法は、通常銀行振込が一般的ですが、契約書に記載された方法が自分にとって問題ないか確認しましょう。
特に、振込手数料の負担者についても明記されているか確認することが重要です。
手付金の条件
手付金の条件も特に重要なポイントです。
手付金は、買主が売主に支払う契約の証拠金であり、契約解除時の取り扱いにも関わります。
一般的に、手付金の金額は物件価格の5%から10%程度とされています。
ただし、売主が不動産会社の場合、手付金は物件価格の20%を超えてはならないと法律で定められています。
手付金については「【超初心者向け】手付金ってなに?支払う意味や相場をわかりやすく解説」をご覧ください。
物件の引き渡し条件
物件の引き渡し条件も確認しておきましょう。
引き渡し条件には、物件の状態や設備の有無、引き渡し時期などが含まれます。
例えば、エアコンや照明器具などの設備がそのまま残るのか、撤去されるのかを事前に確認しておくことが大切です。
また、引き渡し時期も双方で合意し、契約書に明記しておく必要があります。
これらの条件をしっかり確認し、契約書に反映させることでスムーズな取引が可能となります。
契約不適合責任
契約不適合責任も重要なポイントです。
これは、引き渡された物件が契約内容と異なる場合に、売り主が負う責任を指します。
責任の種類は以下の3つです。
- 修補請求
- 代替物の引渡し請求
- 不足分の引渡し請求
これらに加え、損害賠償や契約解除なども含まれます。
契約内容にない不具合や欠陥が見つかった場合、買主に責任追及される可能性があるので確認しておきましょう。
違約金や損害賠償
最後に、違約金と損害賠償です。
違約金は、契約違反があった際に、違反した側が相手に支払う金額を事前に決めておくものです。
不動産売買では、売買価格の10~20%を違約金として設定することが一般的です。
損害賠償は、契約違反によって相手に実際の損害を与えた場合、その損害を補償するための金額です。
違約金が事前に定められていない場合、損害賠償額を証明するためには手間や時間がかかることがあります。
そのため、不動産売買では、あらかじめ違約金を設定し、それを損害賠償として支払うことが一般的です。
【個人間取引】不動産売買契約書を作成する手順
不動産を個人間で売買する際、不動産売買契約書は以下の手順で作成します。
- 取引条件を明確にする
- 契約書のひな形を準備する
- 必要事項を記入する
- 双方で内容を確認する
- 契約書に署名・押印する
- 契約後の手続きを進める
それぞれの手順を詳しく解説します。
STEP①:取引条件を明確にする
不動産を個人間で売買する際、最初に行うべきは取引条件を明確にすることです。
- 物件の所在地
- 面積
- 構造
- 築年数
- 価格
これらの基本的な情報を双方で共有します。
また、支払い方法やスケジュールも重要です。
手付金の有無や金額、残代金の支払い時期、支払い方法(現金、銀行振込など)を具体的に取り決めます。
また、物件の引き渡し時期や条件も明確にしておきましょう。
例えば、引き渡し前に修繕が必要な箇所がある場合、その対応についても合意しておくことが望ましいです。
STEP②:契約書のひな形を準備する
取引条件を明確にできたら、契約書のひな形を準備しましょう。
ひな形は、さまざまなページからダウンロードできますが、なかには内容が古かったり記入項目が古かったりする場合があります。
Wonder.Legalやデイライト法律事務所などの専門サイトでダウンロードできるので利用してみましょう。
STEP③:必要事項を記入する
契約書のひな形を準備できたら、必要事項を記入していきましょう。
記入事項は以下のとおりです。
- 不動産の所在地
- 面積・間取り
- 種類
- 売買価格
- 支払いのタイミング・方法
- 引き渡しの時期・方法
- 契約解除や違約金の条件
以上のポイントを押さえて、必要事項を正確に記入することで安心して不動産取引を進められます。
不明な点がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
STEP④:双方で内容を確認する
必要事項を記入したら、売主と買主の双方で内容を確認しましょう。
売買価格や支払い方法、時期などの重要事項を中心に確認し、本当にこの契約で進めてよいか最終確認します。
一度契約してしまうと基本的に解除できなくなるため、何度も見直しましょう。
STEP⑤:契約書に署名・押印する
契約書を確認して問題なければ署名と押印をしましょう。
署名・押印が完了することで法的効力が生じます。
STEP⑥:契約後の手続きを進める
契約が成立したら、売主と買主は役所で必要な手続きをおこないましょう。
具体的には、登記変更の申請と引き渡しをおこないます。
土地や建物の所有者が変わるため、法務局で登記を更新しないと正式な所有者とは認められません。
登記申請には契約書や身分証明書、印鑑証明書が必要です。
手続きが完了すれば正式に物件が引き渡され、取引が完了します。
特に、個人間の取引では手続き漏れが起きやすいため、不安であれば弁護士や司法書士などの専門家に確認してもらいましょう。
「不動産売買契約書はどこでもらえる?」に関するよくある質問
「不動産売買契約書はどこでもらえる?」に関するよくある質問をご紹介します。
契約書についての疑問を参考にしましょう。
- 不動産売買契約書のひな型はどこでダウンロードできる?
- 不動産売買契約書はいつもらう?
- 不動産売買契約書の確認で特に注意する点は?
不動産売買契約書のひな型はどこでダウンロードできる?
不動産売買契約書のひな型は以下のサイトでダウンロードできます。
サイト | 概要 |
---|---|
テンプレートBANK | 土地や建物の売買契約書のテンプレートが提供されている |
JACMO | 土地や建物の売買契約書のひな型が公開されている |
Wonder.Legal | 不動産売買契約書のテンプレートがダウンロード可能 |
これらすべてのサイトでは無料でダウンロードでき、初心者の方でも簡単に契約書を作成できます。
個人間取引をする方は利用してみましょう。
不動産売買契約書はいつもらう?
不動産売買契約時に不動産会社の担当者から貰うのが一般的です。
ただし、契約当日より前に確認したい場合などは、担当者に相談すれば契約書のコピーを貰えます。
当日のみの確認では確認不足となり、契約後にトラブルになる恐れがあるため、事前に貰って確認しておきましょう。
不動産売買契約書の確認で特に注意する点は?
売買代金の額、支払い条件、契約解除に関する点は特に注意しましょう。
契約書の内容は基本的にすべて重要ですが、特に上記の点には注意が必要です。
売買代金の額は当初の予定どおりか、支払い条件したがって契約を進められるか、どのようなケースで契約解除になるのか、などを十分に理解することが大切です。
一度契約してしまうと基本的には無償で解除できなくなるため、契約書にサインする前に確認しておかなければなりません。
まとめ:不動産売買契約書の貰い方や意味を理解してトラブルなく契約を進めましょう!
不動産売買契約書を貰う方法や必要な場面、契約時の注意点などを解説しました。
不動産売買契約書は、不動産取引において重要な書類であり、通常の取引であれば不動産会社が作成してくれます。
ただし、内容に誤りがあったり認識の違いにより想定外の記載がされていたりするケースも少なくありません。
そのため、契約書にサインする前に契約内容をよく確認しておくことが大切です。
特に、個人間での取引の場合は不動産会社が間に入らないため、トラブルになるケースが多いです。
不動産取引を控えている方は、ぜひこの記事でご紹介した内容を理解したうえで取引を進めましょう!