- 不動産買取の注意点は?
- どこに依頼するのがいいの?
- 悪徳業者に引っかからないか不安……。
不動産買取は、所有している不動産を不動産会社へ直接買い取ってもらう方法ですが、注意点を理解していない人も少なくありません。
そこでこの記事では、不動産買取の注意点や依頼先を選ぶ際のポイントなどを詳しく解説します。
この記事を読めば、買取ならではの注意点や悪徳業者の見極め方などがすべてわかります。
不動産買取を検討している方はぜひ最後までご覧ください!
不動産買取の注意点7選
不動産買取の注意点は以下7つです。
- 仲介で売るよりも安くなる
- 即日買取と買取保障がある
- 不動産会社によっては対応していない
- 建物の状況によっては買取りしてもらえない場合がある
- 住宅ローンを完済しておく必要がある
- 手数料や税金がかかる
- 買取価格によっては確定申告が必要
それぞれを詳しく解説します。
仲介で売るよりも安くなる
不動産買取は仲介で売るよりも安くなります。
具体的には、仲介価格の7割程度での売却となるケースが多くなるのが特徴です。
安くなる理由は、買い取った不動産会社が再販時の利益を考慮するためです。
不動産会社は買取り後にリフォームや修繕を行い、再販することを前提としています。そのため、仲介の売却価格から修繕費や利益分を差し引いた金額を提示します。
また、売れ残りリスクも負うため、その分のコストも考慮されます。その結果、仲介で売る場合と比べて価格が安くなることが多いのです。
即日買取と買取保障がある
不動産買取には「即日買取」と「買取保障」の2種類があります。
即日買取とは、その名の通り売却が決まったらすぐに現金化できる方法です。
早急に資金が必要な場合に便利ですが、一般的な売却よりも買取価格が低くなることが多いため、注意が必要です。
一方、買取保証は「一定期間内に売却できなかった場合、不動産会社が事前に決めた価格で買い取る」方法です。
通常の売却活動を優先しながら万一売れ残った場合でも確実に現金化できるため安心ですが、買取価格は市場相場よりも低めに設定されます。
このように、それぞれの買取方法で意味が異なるため、買取依頼する前に確認しておきましょう。
不動産会社によっては対応していない
不動産会社によっては買取りに対応していないケースがあります。
そのため、不動産会社を選ぶ際には「買取対応の有無」を確認することが大切です。
また、買取対応していても実績が少なかったり対応物件が少なかったりするため、事前に確認しておきましょう。
建物の状況によっては買取りしてもらえない場合がある
建物の状況によっては買取りしてもらえない場合があります。
特に、築年数が古い物件や大きな修繕が必要な物件、または耐震基準を満たしていない建物は、不動産会社がリスクを考慮して買取を拒否する場合もあります。
そのため、売却を検討する際には事前に建物の状態を専門家に点検してもらい、修繕の有無を確認しておくことが大切です。
買取をスムーズに進めたい場合は不動産会社に物件の状態を正直に伝え、対応策を一緒に検討することをおすすめします。
住宅ローンを完済しておく必要がある
買取してもらう場合は事前に住宅ローンを完済しておきましょう。
住宅ローンが残っている状態では不動産に抵当権が設定されており、買取してもらえないからです。
買取価格で住宅ローンを完済できるのであれば問題ないですが、買取価格を差し引いても住宅ローンが残る場合は自己資金で返済しなければなりません。
スムーズに買取してもらうためにも、事前に住宅ローン残債や買取価格などを把握しておきましょう。
手数料や税金がかかる
手数料や税金がかかる点にも注意が必要です。
例えば、不動産会社への仲介手数料や契約解除にともなう違約金などがあります。また、買取価格が市場相場より低くなることが一般的で、思っていた金額よりも手元に残る金額が少なくなる可能性もあります。
さらに、不動産の売却益が出た場合は「譲渡所得税」が発生するため、事前に税金負担も確認しておくことが大切です。
これらの点をしっかり理解したうえで買取に進みましょう。
買取価格によっては確定申告が必要
買取価格によっては確定申告が必要です。
具体的には、購入した当時よりも高く売れた場合は「譲渡所得」となるため、譲渡所得税が課せられます。
譲渡所得税は、家を売却した年の翌年の確定申告の際に納めなければなりません。
例えば、当時の購入価格2,000万円の不動産が2,500万円で売れた(買取された)場合は利益である500万円に対して課税されます。
確定申告しないと無申告加算税として多くの税金の支払いを命じられる恐れがあるため、忘れずに申告しましょう。
確定申告が初めての方は、税理士に相談すれば手続き手順や必要書類などを教えてくれます。
確定申告については国税庁の「申告の流れ、申告が必要な方」を参考にしてみましょう。
不動産買取企業を選ぶ際の注意点
不動産買取企業を選ぶ際は以下の点に注意しましょう。
- 複数の企業へ依頼して比較する
- 買取実績を確認しておく
- 利用者の口コミを参考にする
- 引き渡し条件をよく確認しておく
それぞれを詳しく解説します。
複数の企業へ依頼して比較する
買取依頼する際は、複数の企業へ依頼して比較しましょう。
サービス内容や買取価格などを比較することで、より満足のいく買取を実現できるからです。
特に初めて不動産を売却する場合、信頼できるパートナーを見つけることが成功のカギです。
そのため、最低でも3社以上に査定を依頼し、価格やサービス内容を比較して検討しましょう。
買取実績を確認しておく
買い取り実績を確認しておくのも重要なポイントです。
不動産会社によって買取実績は異なり、より実績が豊富な企業へ依頼した方が高額買取りに期待できます。
不動産会社の公式サイトに、「買取件数」「相談実績」「売上実績」などが掲載されているため、参考にしてみましょう。
利用者の口コミを参考にする
実績と併せて利用者の口コミも参考にしましょう。
利用者の口コミは公式サイトを見ただけではわからない「リアルな声」であり、その不動産会社の本当に評判がわかります。
SNSやインターネット掲示板などに投稿されているため、一度見てみましょう。
引き渡し条件をよく確認しておく
買取を依頼する際は、引き渡し条件をよく確認しておきましょう。
契約内容によっては、引き渡し後のトラブルや追加費用が発生する可能性があるからです。
例えば、残置物(家の中の家具や不用品)の処分費用が契約に含まれていない場合は思わぬ出費につながることがあります。
また、引き渡し日が定められていないと引っ越しのタイミングが合わず余計な負担がかかる恐れもあります。
このように、引き渡し条件を確認しないと予期せぬトラブルやコストが発生することがあるため、十分に注意しましょう。
不動産買取におけるトラブル事例
不動産買取におけるトラブル事例をご紹介します。
どんなトラブルのリスクがあるのか参考にしてみましょう。
- 相場より安く買い取られた
- 諸費用を多く請求された
- 契約後に査定価格を安くされた
相場より安く買い取られた
不動産買取におけるトラブルで最も多いのが「相場より安く買い取られるケース」です。
特に知識が少ない売主が、提示された価格をそのまま受け入れてしまうケースが多いです。
このようなトラブルを避けるためにも、複数の不動産会社に査定依頼し、提示された価格の妥当性を確認しましょう。
最初の査定価格に飛びつかず慎重に比較検討することで、相場に見合った買取価格を把握できます。
不動産買取で後悔しないためにも、十分に理解しておきましょう。
諸費用を多く請求された
諸費用を多く請求されるのもトラブル事例のひとつです。
具体的には、売却後の仲介手数料や契約書作成費用などが予想以上に高額になるケースです。
特に不動産の知識の少ない一般の方の場合、不動産会社が故意に詳細な内訳を提示せず、「必要な手数料」として一括で請求する場合があります。
そして初心者の方はこれを信じてしまい、言われるがままに支払ってしまいがちです。
このようなトラブルを避けるためには、契約前に費用の内訳を確認し、複数社に見積もりを依頼することが重要です。
適正な価格かどうか判断するための知識を身につけることが、安心して売却するための第一歩です。
契約後に査定価格を安くされた
契約後に査定価格を安くされるのも、よくあるトラブル事例です。
具体的には、最初に提示された価格が高かったために契約を結んだものの、その後「物件の状況が思ったより悪い」「周辺環境に問題が見つかった」といった理由で、価格が大幅に引き下げられてしまうというケースです。
このような価格変更は、「買い叩き」とも呼ばれる不当な手法で、初心者の方は特に被害に遭いやすいので注意しましょう。
対策としては、複数の不動産会社に査定依頼して、買取価格が妥当かを確認したり契約書に価格変更の条件を詳細に明記したりすることが重要です。
また、「買取価格は変わらない」ことを契約前に書面で確認しておくのも有効です。これにより、後から不当に価格を下げられるリスクを防げます。
不動産買取における悪質な買取企業の特徴
不動産買取における悪質な買取企業の特徴をご紹介します。
以下の特徴に当てはまる不動産会社は、悪徳企業の可能性が高いので十分に理解しておきましょう。
- 営業連絡がしつこい
- 極端に高い価格での買取を提案してくる
- アポなしで営業してくる
営業連絡がしつこい
最もわかりやすい特徴は「営業電話がしつこい」です。
通常の不動産会社であれば、物件査定や売却意向の確認程度ですが、悪質な企業は断っても繰り返し電話や訪問をしてきます。
特に「今すぐ売るべき」などと焦らせる発言や、相場を大きく下回る価格を提示することが多いので注意が必要です。
加えて、「査定は無料」と謳いながら契約後に追加費用を請求してくるケースもあります。
不安に感じた場合は契約せず、複数の不動産会社に相談しましょう。
極端に高い価格での買取を提案してくる
極端に高い価格での買取を提案してくるのも悪徳企業の特徴です。
これは、売主の気を引くために実際の相場よりも高額な査定を提示し、契約を結ばせる手口です。
さらに、契約直前になって「やはりこの価格では買えない」と値下げを要求し、結果的に不当に安く買い取られるケースが想定されます。
このような企業は最初から値下げを狙っていることが多いため、査定価格が相場とかけ離れている場合は要注意です。
不安な場合は複数の会社に査定を依頼し、相場感を自分で把握しましょう。
アポなしで営業してくる
アポなしで営業してくる不動産会社にも気を付けましょう。
常識のある不動産会社は事前にアポイントを取り、売主の都合を確認したうえで訪問します。
しかし、悪徳企業は事前の連絡なしに突然家に来て営業してきます。
また、こちらが断っているにも関わらず営業を続けてくるケースもあるため、あまりにも執拗に営業してくる場合は国土交通省の専用窓口に相談しましょう。
不動産買取の注意点に関するよくある質問
不動産買取の注意点に関するよくある質問をご紹介します。
不動産買取に関して抱きやすい疑問を参考にしてみましょう。
- 買取企業のランキングは?
- 仲介と買取どっちがいいの?
- 買取に仲介手数料はかかるの?
買取企業のランキングは?
不動産の買取企業ランキングは以下のとおりです。
順位/企業 | 年間販売戸数 |
---|---|
1位/カチタス | 5,535 |
2位/レジデンス不動産 | 1,885 |
3位/リプライス | 1,634 |
4位/大京穴吹不動産 | 1,428 |
5位/スター・マイカ・ホールディングス | 1,270 |
6位/インテリックス | 1,146 |
7位/ホームネット | 1,022 |
8位/フジ住宅 | 1,016 |
9位/長谷工リアルエステート | 964 |
10位/イーグランド | 868 |
参照:リフォーム産業新聞「【買取再販年間販売戸数ランキング2024】」
カチタスが圧倒的に買取再販実績が豊富なのがわかります。
依頼先を検討している方は参考にしてみましょう。
仲介と買取どっちがいいの?
仲介と買取のどっちがいいかは、売却の目的により異なります。
仲介は、高く相場より売れる可能性があるため、「高く売りたい」と思っている方に向いています。
一方で買取は買主探しをする必要がないため、仲介よりも早く売れる傾向があります。「早く売りたい」という方におすすめです。
しかし、仲介は高く売れる代わりに時間がかかり、買取は買主探しの手間がない代わりに安く売れるデメリットがあります。
それぞれでメリットやデメリットが異なるため、売却の目的に合わせて売却方法を選ぶのがよいでしょう。
買取に仲介手数料はかかるの?
買取に仲介手数料はかかりません。
仲介手数料とは、不動産会社へ仲介依頼して実際に成約した際に支払う費用です。
しかし、買取は不動産会社へ直接売るため、仲介の必要がありません。
仲介での売却よりも費用が抑えられるのも買取ならでの特徴です。
まとめ:不動産買取の注意点を理解してスムーズな買取を実現させよう!
不動産買取の注意点や悪徳企業の見極め方などを解説しました。
不動産買取は、不動産会社へ直接買い取ってもらう売却方法であり、買主探しの手間がないのが特徴です。
しかし、仲介での売却よりも安くなる可能性が高く、「高く売りたい」と思っている方には向いていません。
また、買取に対応していない不動産会社も多いため、依頼する際は不動産会社の実績や口コミなどを参考に見極めることが大切です。
不動産買取は年間数多くの人が利用しており、売却しにくい不動産でもスピーディーに売れるのが魅力です。
不動産買取を検討している方は、ぜひこの記事でご紹介した注意点を意識しながら理想の買取を実現させましょう!