- 繰り上げ返済するときは少し残すの?
- 残した方がいい理由は?
- 残すデメリットを知りたい!
住宅ローンの繰り上げ返済は、まとまった資金を返済することで住宅ローンの総返済額を減らす方法です。
しかし、繰り上げ返済にはメリットとデメリットがあるため、よく理解してから行動すべきです。
そこでこの記事では、繰り上げ返済の特徴やリスク、残すべきかどうかを解説します。
【こんな人に読んでほしい】
- 住宅ローンの返済で悩んでいる人
- ボーナスなどの臨時収入が入った人
- 繰り上げ返済の意味が分からない人

住宅ローンの繰り上げ返済で手元資金は少し残すべき?
結論、住宅ローンの繰り上げ返済では、手元資金を少し残すべきです。
具体的には、生活費の3~6ヶ月分を手元に残すのが安心です。例えば、毎月の支出が20万円なら60万~120万円を確保しておくと、急な医療費や冠婚葬祭にも対応しやすくなります。




また、繰り上げ返済すると住宅ローン控除の適用額が減る可能性があります。現在のローン金利が低い場合は、無理に返済するよりも資産運用に回したほうが有利なケースもあります。
そのため、繰り上げ返済を考える際は、手元資金を十分に確保し、今後の生活やリスクに備えることが大切です。
住宅ローンの繰り上げ返済のメリット
「そもそも繰り上げ返済ってなに?」と思う方もいるでしょう。
ここでは、住宅ローンの繰り上げ返済のメリットを解説します。特徴を理解したうえで、繰り上げ返済するかどうか判断しましょう。
- 総返済額が減る
- 毎月の返済額を軽くできる
- 他の資金に余裕が生まれる
総返済額が減る
住宅ローンの繰り上げ返済は、総返済額を減らすのに効果的です。
【繰り上げ返済とは】
毎月の返済とは別にまとまった金額を前倒しで返す方法。
借りたお金の元本が減るため、将来支払う利息が少なくなる。
例えば、2,500万円を金利2.5%、35年ローンで借りた場合、毎月の返済額は約8万9,000円です。
この条件で3年後に100万円を繰り上げ返済すると、総支払利息が100万円以上減り、返済期間も短くなります。
このように、繰り上げ返済を行うことで住宅ローンの負担を軽くできるため、家計にとって大きなメリットがあります。
毎月の返済額を軽くできる
住宅ローンの繰り上げ返済をすると、毎月の返済額を軽くできる場合があります。
例えば、3,000万円を金利1.5%で35年返済した場合、毎月の支払いは約9万円です。
もし100万円を「返済額軽減型」で繰り上げ返済すれば、毎月の返済額が減る可能性があります。
【返済額軽減型とは】
繰り上げ返済方法の一つ。
毎月の返済額を減らして家計の負担を軽くする方法。




ただし、減額幅は残りの返済期間や金利によって異なるため、金融機関のシミュレーションを利用しましょう。
他の資金に余裕が生まれる
前述のとおり、住宅ローンを繰り上げ返済すると総返済額や毎月の返済額が減るため、他の資金に余裕が生まれます。
例えば、教育費や老後資金など、他の必要な支出が出た場合でも柔軟に対応できます。
また、資産運用などにも回せるため、今以上に金銭面に余裕を持たせられるでしょう。



住宅ローンの繰り上げ返済のデメリット
繰り上げ返済には以下のデメリットもあります。
- 手元のお金が減る
- 住宅ローン控除額が小さくなる可能性がある
- 団体信用生命保険の保障期間が短くなる
メリットと併せて確認しておきましょう。
手元のお金が減る
住宅ローンの繰り上げ返済をすると、手元の資金が減るため注意が必要です。
生活費や急な出費に備えるお金が不足すると、思わぬ負担になることがあります。また、繰り上げ返済にお金を使うと、貯蓄や投資に回せる資金が減ってしまいます。
そのため、繰り上げ返済をする際は生活資金とのバランスを考え、無理のない範囲で行うことが大切です。
住宅ローン控除額が小さくなる可能性がある
【住宅ローン控除とは】
年末のローン残高に応じて税金が軽減される制度。
住宅ローン控除の控除率は、年末時点のローン残高の0.7%です。しかし、繰り上げ返済によりローン残高が減ると控除額も減少してしまいます。
▼年末残高が2,000万円の場合の控除額
2,000万円×0.7=14万円
しかし、繰り上げ返済で年末残高が1,500万円に減ると以下になります。
▼年末残高が1,500万円の場合の控除額
1,500万円×0.7=10.5万円
このように、年末残高が減ると控除額も減ってしまいます。
また、ローンの返済期間が10年未満になると、そもそも控除を受けられなくなる場合があります。
繰り上げ返済を検討する際は、総返済額の減少と控除額の減少を比較し、自分にとってどちらが得か考えましょう。
団体信用生命保険の保障期間が短くなる
住宅ローンの繰り上げ返済には、団体信用生命保険(団信)の保障期間が短くなるデメリットがあります。
【団信とは】
ローン契約者が亡くなった場合などに、残りの住宅ローンを保険金で支払う仕組み。
しかし、繰り上げ返済で完済すると、ローンがなくなるため団信の保障も終了します。
例えば、ローン残高が2,000万円の時点で契約者が亡くなれば、団信でその全額が補償されます。しかし、繰り上げ返済で完済すると、この保障は受けられません。
そのため、繰り上げ返済をする際は万が一に備え、生命保険の見直しや新たな保険加入を検討することが大切です。
繰り上げ返済で手元資金を少し残すメリットとデメリット
繰り上げ返済のメリットとデメリットをお伝えしましたが、手元資金を少し残すメリットとデメリットもあります。
それぞれを確認したうえで、残すかどうか判断しましょう。
手元資金を少し残すメリット
手元資金を少し残すメリットは以下の3点です。
- 急な出費に対応できる
- 教育費や老後資金を確保できる
- 資産運用の選択肢が広がる
急な出費に対応できる
住宅ローンの返済期間中には、家電の故障や医療費など、思わぬ出費が発生することがあります。しかし、資金が足りないと借金が必要になる場合もあり、結果的に家計の負担が増えるかもしれません。
そのため、繰り上げ返済をする際は生活費や緊急時の支出に備え、無理のない範囲で行いましょう。資金に余裕があれば家計の安定につながり、安心して生活できます。
教育費や老後資金を確保できる
住宅ローンの繰り上げ返済をすると、教育費や老後の資金を確保しやすくなります。
例えば、子どもの進学時期にはまとまったお金が必要です。老後の生活にも、一般的に多くの資金が必要とされています。そのため、繰り上げ返済で貯金を使いすぎると、将来の出費に困る可能性があります。
余裕資金をすべて繰り上げ返済に回さず、生活に必要なお金を手元に残しておくことが大切です。
資産運用の選択肢が広がる
住宅ローンの繰り上げ返済をすると利息の負担を減らせますが、手元資金を少し残しておくと資産運用の選択肢も広がります。
【資産運用とは】
お金や資産を銀行預金や投資などに回し、資金を増やすことを目的とする運用方法
資産運用には以下の方法があります。
- 株式投資
- 投資信託
- 債券投資
- 不動産投資
- 定期預金・外貨預金
例えば、投資信託で500万円を年利4%で複利運用すれば、20年後に1,000万円以上になる可能性があります。
ただし、運用には元本割れのリスクがあるため、繰り上げ返済と資産運用のバランスを考え、自分に合った方法を選びましょう。
手元資金を少し残すデメリット
手元資金を少し残すデメリットは以下の3点です。
- 住宅ローンの利息の支払いが続く
- 余裕があると感じて無駄遣いする可能性がある
住宅ローンの利息の支払いが続く
手元資金を優先しすぎて繰り上げ返済の額を減らすと、利息の支払いが長く続く可能性があります。
例えば、100万円を繰り上げ返済すると総支払利息を大きく減らせますが、50万円しか返済しない場合、利息の軽減効果は半減します。
手元資金が不足すると生活に影響が出るため、無理のない範囲でバランスよく繰り上げ返済を行いましょう。
余裕があると感じて無駄遣いする可能性がある
住宅ローンの繰り上げ返済をする際、手元に資金を少し残すと安心できます。しかし、余裕があると感じてつい無駄遣いしてしまうこともあります。
例えば、100万円を残した場合、予定になかった旅行や高額な買い物をしてしまうかもしれません。そうなると、せっかくの繰り上げ返済の効果が薄れてしまいます。
無駄遣いを防ぐためには、あらかじめ使い道を決めておくことが大切です。定期預金や積立投資に回せば、無駄遣いせず将来の備えにもなります。



住宅ローンの繰り上げ返済で手元資金を少し残すべき3つのケース
繰り上げ返済で手元資金を残すべきケースをご紹介します。
「結局自分は残した方がいいの?」と思っている方は参考にしてみましょう。
- 老後資金を確保したいケース
- 子供の教育費が今後必要なケース
- 予期せぬ出費に備えたいケース
老後資金を確保したいケース
老後資金を確保したいなら、住宅ローンの繰り上げ返済で手元資金を少し残すべきです。
定年後は収入が減り、医療費や介護費用が増える可能性があります。全額を繰り上げ返済に充ててしまうと、急な出費に対応できず、生活が苦しくなるかもしれません。
そのため、退職金の一部は生活費として確保し、余裕を持たせることが大切です。
子供の教育費が今後必要なケース
子どもの教育費が必要な家庭では、住宅ローンの繰り上げ返済で手元資金を残すことが大切です。
公立でも幼稚園から大学まで約500万円、私立では1,700万円以上かかるとされています。特に中学・高校では塾代や部活動費が増え、小学校高学年から支出が増える家庭もあります。
この時期に繰り上げ返済をしすぎると、教育費が不足する可能性があります。将来の支出を考え、無理のない範囲で繰り上げ返済を行いましょう。
予期せぬ出費に備えたいケース
住宅ローンの繰り上げ返済をするときは、予期せぬ出費に備えて手元資金を残しておくことが大切です。
突然の医療費、家電の故障、自然災害による修理費だけでなく、転職や収入減少なども考えられます。手元資金がないと、急な支出に対応できず生活が苦しくなる可能性があります。
そのため、繰り上げ返済をする際は、生活費の3~6か月分を目安に緊急予備資金を確保しておくと安心です。
住宅ローンの繰り上げ返済で手元資金を少し残す際の3つのポイント
住宅ローンの繰り上げ返済で手元資金を残す際は、以下3つのポイントを意識しましょう。
- 生活費6か月分の貯金を残す
- 住宅ローン控除の条件を確認する
- 教育費や老後資金を優先する
生活費6か月分の貯金を残す
住宅ローンの繰り上げ返済をする際は、手元に生活費の6か月分を残すと安心です。
収入が減ったり急な出費があったりしても対応しやすくなります。例えば、月々の生活費が30万円なら、180万円を確保すると安心でしょう。
特に、転職を考えている人や自営業の人は、余裕を持って資金を残すことが大切です。
住宅ローン控除の条件を確認する
住宅ローンの繰り上げ返済をする際は、住宅ローン控除の条件を確認しましょう。
控除を受けるには「借入期間が10年以上」であることが必要です。
繰り上げ返済で期間を短縮しても、当初の借入期間が10年以上なら控除は継続できます。ただし、年末のローン残高が減ると控除額が少なくなるため、返済額を減らす方法も検討しましょう。
例えば、毎月の負担を軽くする「返済額軽減型」にすれば、年末時点のローン残高が大きく減るのを防ぎつつ、控除の恩恵を受けやすくなります。手元資金を確保しながら、繰り上げ返済の効果を最大化する工夫が大切です。
教育費や老後資金を優先する
住宅ローンの繰り上げ返済をする際は、教育費や老後資金を優先的に確保しましょう。
例えば、子どもが大学に進学すると、国公立でも4年間で約250万円、私立文系なら約400万円かかります。
老後資金も夫婦で毎月20万円以上必要になることが多く、長期間の準備が大切です。
繰り上げ返済をすると利息を減らせますが、手元資金が減りすぎると、これらの支出に対応できなくなります。
住宅ローンの繰り上げ返済に関するよくある質問
住宅ローンの繰り上げ返済に関するよくある質問をご紹介します。繰り上げ返済に関する疑問や不安を参考にしてみましょう。
- 住宅ローンを繰り上げ返済してはいけない大きな理由は?
- 住宅ローンの繰り上げ返済で得するワザはありますか?
- 繰り上げ返済はいくらたまったらやるべきですか?
Q:住宅ローンを繰り上げ返済してはいけない大きな理由は?
住宅ローンを繰り上げ返済をしてはいけない大きな理由は、損をする可能性があるからです。
まず、住宅ローン控除を受けられる期間が短くなることがあります。繰り上げ返済で返済期間が10年未満になると控除が適用されなくなり、減税のメリットを失う可能性があります。
また、低金利のローンでは、繰り上げ返済をしても利息軽減の効果が小さく、住宅ローン控除を受け続けたほうがお得になることもあります。
さらに、手元資金が減ると、急な出費や病気の際に困るリスクが高まります。繰り上げ返済をする前に、手元資金とのバランスをしっかり考えましょう。
Q:住宅ローンの繰り上げ返済で得するワザはありますか?
A:得するには自分に合った方法を選びましょう。
方法は「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つです。
【期間短縮型とは】
返済期間を短くして総支払利息を減らす方法です。
例えば、3,000万円を金利1.5%、35年で借りた場合、5年後に100万円を繰り上げ返済すると完済が早まり、利息負担も軽くなります。早めに返済するほど効果が大きいです。
【返済額軽減型とは】
毎月の返済額を減らし、家計の負担を軽くする方法です。
返済額軽減型で繰り上げ返済すると月々の支払いが抑えられ、生活費に余裕が生まれます。
どちらを選ぶかは、家計の状況に合わせて決めましょう。
Q:繰り上げ返済はいくらたまったらやるべきですか?
A:繰り上げ返済は、まとまった金額が貯まったら行うのが効果的です。
金融機関ごとに最低返済額があり、10万円以上や50万円以上と設定されていることが多いです。また、窓口で手続きすると手数料がかかることもあるため、事前に確認しましょう。
まずは、利用中の金融機関の公式サイトや窓口で最低返済額と手数料を確認し、自分にとって負担が少ない金額を決めるとよいです。
まとめ:住宅ローンの繰り上げ返済で手元資金は少し残すべきかどうかは状況次第!
住宅ローンの繰り上げ返済で手元資金を残すべきかどうかを解説しました。
結論、住宅ローンの繰り上げ返済では、手元資金を少し残すべきです。
具体的には、生活費の3~6ヶ月分を手元に残しておけば(毎月の支出が20万円なら60万~120万円程度)、急な医療費や冠婚葬祭にも対応しやすくなります。
ただし、手元の資金に余裕が生まれるため、余計な支出になる可能性があるので注意が必要です。また、住宅ローン控除が受けられなくなる可能性もあるため、慎重に判断することが大切です。
住宅ローンの繰り上げ返済を検討している方は、ぜひこの記事を参考にして繰り上げ返済するかどうか判断してみましょう。
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