専任媒介契約を更新しないと決めたら?契約解除や不動産会社の違反行為を徹底解説

専任媒介契約を更新しないと決めたら?
  • 専任媒介契約を結んだけど不動産会社の対応が悪い……。
  • 契約の途中でも解約できるの?
  • 専任媒介契約を更新しないときはどうすればいい?

専任媒介契約とは、1社のみと契約する媒介契約の一種であり、3ヶ月以内の期間を定めて契約するのが基本です。

しかし、担当者の対応が悪かったり、しっかり売却活動を進めてくれなかったりして契約解除を望んでいる方も多いでしょう。

そこでこの記事では、専任媒介契約の更新や解除のルール、更新しないときの流れを詳しく解説します。

【こんな人に読んでほしい】

  • 家が売れなくて悩んでる
  • 不動産会社を変えたい
  • 一般媒介契約でやり直したい
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目次

専任媒介契約の更新・解除に関するルール

専任媒介契約の更新・解除に関するルール

まずは、専任媒介契約の更新・解除に関するルールを詳しく解説します。

更新や解除を検討している方は確認しておきましょう。

  • 契約満了まで継続するのが原則
  • 例外的に途中解除できるケースがある
  • 途中解除で違約金が発生する場合もある
  • 更新する際は申請が必要

契約満了まで継続するのが原則

専任媒介契約の契約期間は最長3ヶ月と法律で定められています。

契約期間内は、他の不動産会社に重ねて依頼できず、原則として期間満了まで解除できません。

契約期間が満了すると自動更新されずに契約終了となるため、基本的には契約満了まで待つことになります。

もし、売却活動を継続する場合は、不動産会社と再契約を結ぶ必要があります。また、契約満了前に不動産会社から再契約の提案を受ける場合もあるため、今後の方針を事前に考えておくとよいでしょう。

例外的に途中解除できるケースがある

「契約期間中には契約解除できない」とお伝えしましたが、以下のような状況では契約解除できる場合があります。​

媒介業者が義務を果たさない場合
  • レインズへの登録を怠る
  • 販売活動を適切に行わない

など、契約で定められた業務を遂行しない場合。

信頼関係が破綻した場合
  • 虚偽の説明を受けた
  • 業者の対応が著しく不誠実である

など、取引の継続が困難な場合。

このような場合、契約解除が可能です。​ただし、契約解除の際には事前に契約内容を確認し、必要に応じて弁護士や各地の宅建協会などの専門家に相談することが重要です。​

また、解除の際は書面で通知し、トラブルを避けるために証拠を残しておくと安心です。

ウル蔵
不動産会社の対応が悪いと感じたら専門家に相談してみよう

途中解除で違約金が発生する場合もある

売主都合で媒介契約を途中で解除する場合、違約金が発生する可能性があります。​

例えば、他の不動産会社と重複して契約を結んだり、売却活動を中止したりする場合です。​違約金の上限は、仲介手数料の額までとされています。

ウル蔵
自己都合の解除は違約金が発生するかも

契約解除の際には、解除理由や契約内容によって対応が異なるため、事前に契約書を確認し、不動産会社と十分に話し合いましょう。

更新する際は申請が必要

専任媒介契約は自動更新されないため、契約期間満了前に更新の意思を示す必要があります。

ウル蔵
自動更新はされないんだ

売主が契約を継続したい場合、不動産会社と相談し、更新の手続きを進めます。

多くの不動産会社では、更新申込書への署名・押印を求めますが、口頭での合意でも可能な場合があります。

契約が終了すると不動産会社の媒介義務はなくなるため、継続して売却活動を希望する場合は、更新手続きを忘れずに行いましょう。

専任媒介契約を更新しない3つのステップ

専任媒介契約を更新しない3つのステップ

専任媒介契約を更新しないと決めたら以下のステップで進めましょう。

  • 契約期間の確認
  • 更新拒否の意思表示
  • 次の不動産会社選び

STEP①:契約期間の確認

専任媒介契約の有効期間は最長で3か月と法律で定められています。

​この期間が過ぎると契約は自動的に終了し、更新するには新たな手続きが必要となります。

​媒介契約書には契約開始日と終了日が明記されていますので、まずはこれらの日付を確認しましょう。

STEP②:更新拒否の意思表示

契約期間を確認し、満了前の期限内に不動産会社へ更新拒否の意思表示をしましょう。

更新拒否の理由として、不動産会社の対応への不満や、他社への乗り換えを検討しているケースが考えられます。

また、契約期間中に不動産会社の義務違反がある場合、契約解除を検討できます。

義務違反の例
  • レインズ登録が遅れている
  • 定期報告がない
  • 販売活動が消極的

上記のような問題があれば、契約書の内容を確認し、解除が可能か判断しましょう。ただし、これらの理由だけで即時解除できるとは限らず、慎重な対応が必要です。

契約解除や更新拒否の意思表示は口頭だけでなく書面やメールで行い、記録を残すことが重要です。

ウル蔵
証拠があれば後々のトラブルを防げるぞ

STEP③:次の不動産会社選び

専任媒介契約を更新しない場合、新たな不動産会社を選び始めましょう。適切な会社を選ぶには、以下のポイントを考慮することが重要です。

【不動産会社選びのポイント】

  • 地域の市場に詳しい会社を選ぶ
  • 担当者の対応と信頼性を見極める
  • 媒介契約の種類と手数料を事前に確認する
  • 複数社に相談して比較する

地域密着型の不動産会社は、周辺の取引状況や相場を把握しており、適切な販売戦略を提案しやすいです。ただし、大手でも地域特化の支店があるため、実績や得意分野を確認しましょう。

また、担当者の誠実さや説明の分かりやすさも重要です。過去の実績や顧客評価を参考にしながら、信頼できる担当者がいるかどうかを確認しましょう。

ほかにも、媒介契約には「一般」「専任」「専属専任」の3種類があり、それぞれ売却活動の自由度や不動産会社の責任範囲が異なります。手数料の条件も含め、契約内容を十分に理解した上で選びましょう。

依頼先が決まっていないときは1社だけで決めず、複数社に相談し、提案内容や対応を比較するとより納得のいく選択ができます。不動産一括査定サイトを利用すると効率的ですが、多くの業者から連絡が来るため、対応が負担になる点も考慮しましょう。

専任媒介契約を更新しないと決めた後の選択肢

専任媒介契約を更新しないと決めた後の選択肢

専任媒介契約を更新しないと決めた後の主な選択肢について解説します。

更新しないと決めた方は参考にしてみてください。

  • ほかの不動産会社と専任媒介契約を結ぶ
  • 一般媒介契約に切り替える

ほかの不動産会社と専任媒介契約を結ぶ

専任媒介契約を更新しないと決めた場合、新たに別の不動産会社と専任媒介契約を結ぶのも一つの方法です。不動産会社が変われば担当者も変わり、販売戦略が見直されることで、売却がスムーズに進む可能性があります。

ただし、不動産会社によって販売力や戦略が異なるため、慎重に選ばないと再び売却活動が停滞する恐れもあります。実績や担当者の対応力、販売活動の方針などをしっかり確認することが大切です。

新たに専任媒介契約を結ぶ際は、契約期間や手数料、販売活動の報告義務などの条件を十分に確認し、納得した上で契約を進めましょう。

ウル蔵
過去の実績、口コミ、対応の質をすべてチェックしよう!

一般媒介契約に切り替える

一般媒介契約は、複数の不動産会社と同時に契約でき、物件情報が広く公開されるため、多くの買主にアプローチしやすくなります。さらに、自己発見取引が可能で、自分で買主を見つけて直接契約することもできます。

一般媒介契約には法律上の契約期間の制限はなく、柔軟な売却活動が可能です。ただし、契約内容によっては期間が定められることもあります。また、複数の不動産会社とやり取りする必要があるため、進捗管理が煩雑になる恐れもあるでしょう。

さらに、専任媒介契約よりも各社の販売活動が控えめになりやすいため、積極的な広告や販売戦略が期待しづらいケースもあります。

ウル蔵
メリットとデメリットが大きいんだ

一般媒介契約は、売主自身が売却活動を積極的に管理できる方や広く買主を探したい方に適しています。一方で、販売活動の管理に不安がある場合は、専任媒介契約の継続を検討するのも一つの方法です。

専任媒介契約を更新しない際の注意点

専任媒介契約を更新しない際の注意点

専任媒介契約を更新しない際は以下の点に注意しましょう。

  • 自動更新の特約が含まれていないか確認する
  • 途中解除する際は書面を交わす
  • 更新拒否の意思を早めに伝える

自動更新の特約が含まれていないか確認する

専任媒介契約を更新しない場合、自動更新の特約が含まれていないか確認しておきましょう。

媒介契約の有効期間は最長3ヶ月ですが、契約満了後に自動更新する特約を設けることは可能です。特約がある場合、売主が更新を希望しない場合でも事前に意思表示しなければ契約が自動更新されてしまいます。

更新を避けたい場合は、契約締結時に自動更新の有無をしっかり確認し、不要であれば削除を依頼しましょう。

途中解除する際は書面を交わす

専任媒介契約を途中で解除する際は、書面で通知するのが望ましいです。​口頭でも解約は可能ですが、証拠が残らず後々のトラブルにつながる恐れがあります。​

具体的には、契約解除の意思を明確に記載した通知書を作成し、不動産会社に送付するとよいでしょう。

​書面には、契約内容や解除理由を簡潔にまとめることで誤解を防ぐ効果があります。​また、内容証明郵便を利用すれば、送付の証拠を公的に残せるため、万が一のトラブル対策として有効です。

ウル蔵
万が一に備えて書面で通知しよう

更新拒否の意思を早めに伝える

専任媒介契約は契約期間(最長3か月)が満了すると終了し、再契約しない限り自動更新はされません。

そのため、契約満了後に別の不動産会社と契約を検討している場合は、早めに現在の不動産会社へ伝えることが大切です。

早めに意思表示をすることで、不動産会社も適切な対応を取りやすくなり、売主と不動産会社双方にとってスムーズな取引が期待できます。

専任媒介契約を更新しない方がよいケース

専任媒介契約を更新しない方がよいケース

以下のケースに該当する場合は専任媒介契約を更新しない方がよいです。

  • 売却活動が不十分に感じる
  • 報告義務を守られない
  • レインズ登録がされていない

売却活動が不十分に感じる

不動産売却を成功させるには、不動産会社の売却活動が不可欠です。具体的には、以下のような活動が一般的です。

売却活動の例
  • レインズ(不動産流通機構)への登録
  • 不動産ポータルサイトへの掲載
  • 店頭・チラシでの広告
  • 内覧対応
  • 不動産業者間のネットワーク活用

しかし、なかには十分な売却活動を行わない不動産会社もあります。売却活動が不十分だと、買主へのアピールが難しくなり、売却が長引く可能性が高まります。

専任媒介契約を結んだ後、売却活動が不十分と感じた場合は、不動産会社に改善を求めるのが基本です。

それでも改善されない場合は、契約期間満了を待たずに解除できるか契約内容を確認しましょう。

更新時期が近い場合は契約を更新せず、他の不動産会社への変更を検討するのも選択肢の一つです。

報告義務を守られない

専任媒介契約では、不動産会社側に2週間に1回以上の報告義務があります。

(媒介契約)第三十四条の二

専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、前項に定めるもののほか、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を二週間に一回以上(依頼者が当該宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約にあつては、一週間に一回以上)報告しなければならない。

引用:e-GOV法令検索

しかし、この報告がないと売主は販売状況を把握できず、適切な判断ができません。

報告が遅れたり内容が不十分だったりする場合は、不動産会社の対応を確認し、改善を求めます。

それでも改善されないなら信頼性に欠けると判断し、契約更新を見直すべきでしょう。契約期間中でも状況次第では解除を検討できます。

レインズ登録がされていない

専任媒介契約では、契約締結後7営業日以内にレインズへの登録が義務付けられています。

レインズとは:不動産会社専用の物件情報ネットワーク。物件情報の流通を円滑にするために活用されています。

しかし、なかには登録しない不動産会社も存在し、登録されないと物件情報が広がらず、買い手が見つかりにくくなる可能性があります。

また、レインズ未登録のまま放置されると、他の不動産会社からの問い合わせを受け付けず、自社だけで取引を完結させようとする「囲い込み」の一因になることがあります。

その結果、売却が長引いたり適正価格で売れなかったりする恐れもあります。

契約した不動産会社が正当な理由なくレインズに登録しない場合、媒介契約の更新を見送る判断が必要です。

説明を求めても納得できる回答がない場合は、他の信頼できる不動産会社に依頼することを検討しましょう。

専任媒介契約を更新しないことに関するよくある質問

専任媒介契約に関するよくある質問をご紹介します。

専任媒介契約や更新に関する疑問を参考にしてみましょう。

  • 契約の途中でも媒介契約は変更できますか?
  • 専任媒介契約と他の媒介契約の違いは?

契約の途中でも媒介契約は変更できますか?

​専任媒介契約の途中でも、契約内容を変更することは可能です。​

例えば、専任媒介契約から一般媒介契約への切り替えが挙げられます。​ただし、契約期間中の変更には注意が必要です。​

不動産会社に落ち度がない場合、売主都合で契約を途中解除すると、違約金やこれまでの広告費用などの実費を請求される可能性があります。

​そのため、契約期間の満了時(通常3ヶ月)に契約を更新せず、一般媒介契約に切り替える方法が一般的です。

専任媒介契約と他の媒介契約の違いは?

専任媒介契約と他の媒介契約の違いは以下のとおりです。

専任媒介契約専属専任媒介契約一般媒介契約
他社との契約××
買主の自己発見取引×
REINSへの登録義務契約から7営業日以内に登録契約から5営業日以内に登録登録義務なし
業務状況の報告義務2週間に1回以上の報告義務1週間に1回以上の報告義務報告義務なし
契約期間3ヶ月3ヶ月期間制限なし

専属専任媒介契約は、自分で買主を見つけて取引するのも禁止されており、最も縛りの強い契約形態です。

一般媒介契約は、他社と契約したり自己発見取引をしたりしてもよいため、最も柔軟性のある契約形態といえます。

それぞれで特徴や大きく異なるため、不動産売却の目的や時期などを考慮したうえで選択するのがよいでしょう。

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まとめ:専任媒介契約を更新しないと決めたら早めに行動しよう!

専任媒介契約の更新や解除に関するルール、更新しない際の手続きの流れなどを解説しました。

専任媒介契約は、1社のみと契約できる契約形態であり、一度契約すると最長3ヶ月間は解除できないのが原則です。

それでも、不動産会社の対応が悪かったり報告義務を怠ったりすれば、売主側から途中解除できる場合があります。その際は、契約期間や違約金に関する事項を確認し、早めに不動産会社へ解除の旨を伝えましょう。

不動産会社を変更することで、売却活動の内容や充実度も変わる可能性があるため、スムーズに売却できるかもしれません。

今現在、不動産会社と専任媒介契約を結んでいる方で、「なかなか売れないな」「担当者の対応が悪い」と感じる場合は専任媒介契約を更新せず、別の不動産会社への変更を検討するのがよいでしょう。

その際は、ぜひこの記事を参考にして手続きを進めてみてください!

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