- 自分の家がいくらで売れるのか事前に知っておきたい……
- 不動産価格って自分で調べられるの?
- 初心者でも簡単に調べられる方法を教えて!!
不動産価格は調べる方法や使うサービスによって大きく異なるため、「調べた価格と違った……」なんてことも少なくありません。
この記事では、初心者の方でも簡単に自分の家の価格を調べられるよう「調べる方法」や「利用すべきサービス」を詳しく解説します。
この記事を読めば、不動産価格を調べる方法から価格の根拠までわかります。
「自分の家はいくらで売れるんだろう?」とお悩みの方はぜひ参考にしてみてください!
不動産価格を自分で調べる4つの方法
不動産価格を自分で調べる方法は主に以下の4つです。
不動産ポータルサイト
最も簡単で一般的な方法は、不動産ポータルサイトで調べる方法です。
「SUUMO」や「ホームズ」などのポータルサイトには、全国の売り出し物件や賃貸物件などが掲載されています。
不動産の外観や室内状況の写真以外にも以下のような情報も掲載されています。
- 価格
- 築年数
- 間取り
- 専有面積
- 周辺状況
このような情報が細かく掲載されているため、売却価格を見極める際は非常に参考になります。
また、エリアを市区町村まで絞れるので、自分の住んでいるエリアの売却相場を把握することも可能です。
レインズ・マーケット・インフォメーション
レインズ・マーケット・インフォメーションとは、実際に取引された不動産情報を閲覧できるサイトです。
画像引用:レインズ・マーケット・インフォメーション
ポータルサイトと違って、実際に成約した物件情報を見られるため、より具体的な不動産価格を把握できるのが特徴です。
また、市区町村別に絞って検索できて、直近1年間の取引グラフまで表示されます。さらに追加条件も活用すれば、物件の間取りや築年数、成約時期なども絞って調べられるので、より正確な売却相場も把握できます。
「正確な不動産価格が知りたい」と思う方は利用してみましょう。
不動産情報ライブラリ
不動産情報ライブラリとは、全国の不動産取引情報や地価公示などを閲覧できる国土交通省が提供しているサイトです。
画像引用:不動産情報ライブラリ
実際の取引情報以外にも以下の情報を見られます。
- 防災情報
- 都市計画情報
- 周辺施設情報
このように、不動産に関するさまざまな情報を扱っているので、不動産価格以外の情報も調べたいときに利用したいサイトといえます。
また、調べたいエリアを地図から指定したり地域を検索して指定したりできるため、より詳細な不動産価格を確認できます。
さらに地価公示まで表示されるため、土地の価格を知りたい方にもおすすめです。
不動産AI査定
不動産AI査定とは、AIによる査定を受けられるサービスです。
AIによる自動査定なので一般的な査定よりも査定スピードが早く、10秒程度で査定できるサイトもあります。
また、物件の所在地や築年数などの基本的な条件を入力するだけなので手間なく簡単に査定できます。
「おおよその価格を知りたい」「不動産会社に依頼するほどではない」と思っている方は利用してみましょう。
不動産価格に影響する主なポイント
不動産価格の調べ方をご紹介しましたが、不動産価格の決まる根拠やポイントを解説します。「不動産のどこを見られているのか」を把握しておきましょう。
所在地
まずは物件の所在地を見られます。
そもそも不動産の価値や価格は所在地によって大きく異なります。
どんなにキレイな外観や最新の設備を揃えていても買い手に需要のないエリアに建てられていれば、低い価値と判断されてしまう可能性が高いです。
不動産価格が高くなりやすい不動産の特徴としては主に以下のとおりです。
- 住みたい街ランキングにランクインしている
- 将来性がある
- 周辺の治安が良い
- 周辺の利便性が良い
これらに該当していれば買い手からの需要があるため、不動産価格も高くなりやすいといえます。
築年数
次に重要なのが築年数です。
基本的に不動産は築年数が経過するほど価値が下がります。
実際にどれくらい価格が低下するのか見てみましょう。以下は、戸建ての築年数別の成約価格を表したグラフです。
参考:REINS TOPIC 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」
築年数の経過とともに成約価格も下落しており、築31年を超えると約2,500万円も下落しているのがわかります。
このように、不動産価格を決定するにあたって築年数は非常に重要な要素です。
間取り
次に部屋の間取りです。
基本的に間取りは広いほど価格も高くなる傾向にありますが、それに加えて「地域に見合った間取りかどうか」も見られます。
例えば、一人暮らしの多い地域で3LDKや4LDKなどのファミリー層向けの家を売り出しても買い手はつきにくいでしょう。
買い手が現れなければ価格を下げざるを得なくなるため、結果的に安い価格での売却になる恐れもあります。
また、戸建ての場合は自分でリフォームやリノベーションしたり注文住宅で建てていたりするため、特殊な間取りのケースもあるでしょう。
特殊な間取りは一部の人には興味を持ってもらえますが、万人ウケしないので高く売れにくい可能性もあります。
このように、間取りは広さだけでなく「地域に合っているか」「買い手に需要があるか」なども見られることを理解しておきましょう。
専有面積
次に見られるポイントは専有面積です。
専有面積も間取りと同様に「広さ」を見られ、基本的に広いほど価格も高くなる傾向にあります。
間取りが特殊で買い手に需要がなかったとしても、専有面積が広ければリフォームやリノベーションで自分好みの部屋に変更できるため、十分に買い手がつくといえます。
周辺の利便性
建物だけでなく周辺の利便性も不動産価格に影響するポイントです。
周辺の利便性とは主に以下のことをいいます。
- 最寄り駅から近い
- コンビニやスーパーなどが近くにあり買い物しやすい
- 病院や役所などが近くにある
最寄り駅から近ければ通勤や通学に便利であり、コンビニやスーパーがあれば生活を送るうえで便利です。
実際、購入者が物件を選ぶ際の理由として、上位にランクインしています。
参考:国土交通省 住宅局「令和4年度 住 宅 市 場 動 向 調 査 報 告 書」
ほかにも、病院や役所が近くにあれば、生活をより快適なものにするでしょう。
このように、周辺の利便性の良し悪しは不動産価格にも大きく影響するので理解しておくことが大切です。
不動産価格を調べる際に押さえておきたいポイント
実際に不動産価格を調べる際は以下の点を押さえておきましょう。
調べた価格どおりに売れるとは限らない
不動産は、調べた価格どおりに売れるとは限らないので注意が必要です。
不動産ポータルサイトやAI査定で調べた価格はあくまでも想定の価格であり、その価格で売れる保証はありません。
また、売り出す時期や依頼先の不動産会社などによっても価格は大きく異なる可能性があるため、調べた価格より500万円程度前後すると考えましょう。
「もっと正確な価格が知りたい!」と思う方は、不動産会社の訪問査定がおすすめ!
訪問査定なら、不動産会社の担当者が実際に家を訪問して査定するため、より精度の高い査定をしてくれます。気になる方は不動産会社へ訪問査定を依頼してみましょう。
複数の方法で調べて比較するのが大切
不動産価格を調べる際は、複数の方法で調べて比較することが大切です。
前述のとおり、自分で調べた不動産価格はその価格で売れるとは限りません。売れる価格を把握するためには、さまざまな方法で比較する必要があります。
比較することで、さまざまな観点から自分の家の価格を見られるので、より正確な不動産価格を把握できます。
土地価格を自分で調べる3つの方法
ここまで不動産価格の調べ方を解説してきましたが、不動産を売る際は基本的に「建物+土地」の価格となるため、土地価格の調べ方もご紹介します。
土地価格がわかれば、より正確な不動産価格を把握できるようになるので参考にしてみてください。
公示価格から調べる
公示価格とは、毎年1月1日を基準に国が定めた土地の価格です。
具体的には、国土交通省の土地鑑定委員会を通し、2名以上の不動産鑑定士が定めた1㎡あたりの価格です。
専門家により価格が決められているので信頼性も高く、土地売買や土地の価格を把握する際に活用されます。
なお、公示価格は「不動産情報ライブラリ」で調べられます。
画像引用:不動産情報ライブラリ
▼公示価格から土地価格を求める計算式
「土地価格=公示価格×面積(㎡)×1.1」
例えば、公示価格50万円で面積80㎡の土地の場合は以下のようになります。
「50万円×80×1.1=4,400万円」
つまり、土地の価格は4,400万円前後となります。
相続税路線価から調べる
相続税路線価とは、相続税や贈与税を決める際の基準となる価格で、毎年7月頃に国税庁が価格を公表しています。
公表している土地の価格は、公示価格の80%が目安となっており、「全国地価マップ」で調べられます。
画像引用:全国地価マップ
路線価には「400C」や「500C」などの数字やアルファベットが記載されていますが、路線価を求める際は数字に1,000をかけます。
例えば400Cであれば「400×1,000=40万」となり、その土地の1㎡あたりの価格は40万円ということがわかります。
▼相続税路線価から土地価格を調べる計算式
- まずは相続税評価額を求める:「相続税評価額=路線価×面積(㎡)」
- 次に土地の価格を求める:「土地価格=相続税評価額÷0.8×1.1」
例えば、路線価が40万円で面積が80㎡の場合は以下となります。
①相続税評価額:「40万円×80=3,200万円」
②土地価格「3,200万円÷0.8×1.1=4,400万円」
つまり、土地の価格は4,400万円程度ということがわかります。
なお、相続税評価額に0.8を割る理由は、相続税路線価が公示価格の80程度の価格だからです。
固定資産税評価額から調べる
固定資産税評価額とは、固定資産税や不動産取得税に関わる、不動産などの評価額です。
固定資産税評価額の調べ方は以下3つがあります。
- 固定資産税課税明細書を確認する
- 固定資産評価証明書を入手する
- 固定資産税課税台帳を閲覧する
それぞれの書類の確認方法や入手方法は以下のとおりです。
- 固定資産税課税明細書:市区町村から毎年4~5月に送られてくる
- 固定資産評価証明書:物件のある市区町村の窓口
- 固定資産税課税台帳:物件のある市区町村の自治体
固定資産税評価額がわかったら以下の方法で計算してみましょう。
なお、固定資産税評価額は公示価格の70%程度の価格であり、土地価格を計算する際は以下の計算式となります。
▼固定資産税評価額から土地価格を計算する方法
- まずは固定資産税評価額を上記3つの方法から調べる
- 「固定資産税評価額÷0.7」で求める
例えば、固定資産税評価額が2,000万円であれば以下となります。
「2,000万円÷0.7=約2,850万円」
ただし、公示価格の70%の価格となるため、できれば公示価格から計算するのが望ましいでしょう。
不動産価格の相場
不動産価格の実際の相場をご紹介します。
エリア別と築年数別で分けているので、自分の住んでいるエリアや所有している戸建ての築年数と照らし合わせて確認してみましょう。
エリア別の価格相場
まずはエリア別の不動産価格相場を見てみましょう。
以下は、2024年5月時点の一都三県の中古戸建ての価格を表した表です。
都道府県 | 価格(万円) | 前年同月比 |
---|---|---|
東京都 | 5,199 | +4.1 |
東京都区分 | 6,195 | +1.6 |
東京都多摩 | 3,863 | +2.1 |
埼玉県 | 2,694 | +1.3 |
千葉県 | 2,589 | +9.0 |
神奈川県 | 4,007 | -1.7 |
横浜市・川崎市 | 4,525 | -2.1 |
神奈川県他 | 3,324 | -2.8 |
参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート2024 年5月度」
最も価格の高いエリアは東京23区であり、6,000万円を超えています。
前年同月比で見ても1.6%上昇しており、戸建ての需要が増えてきているといえます。
その他のエリアは、神奈川県のみ前年同月比がマイナスとなっており、戸建ての需要が少なくなってきているといえるでしょう。
築年数別の価格相場
次に、築年数別の価格相場を見てみましょう。
以下は、首都圏における中古戸建ての成約価格を築年数別で表したグラフです。
参考:REINS TOPIC 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」
築年数の経過とともに成約価格が減少しているのがわかります。
特に築26年を超えると大幅に価格が下落しており、築0年時の69%程度の価格となります。
さらに築31年以降はさらに下落し、49%程度の価格となるでしょう。
このように、築年数は戸建ての売却価格に大きく影響するため、売却を検討している方はできるだけ早く売却した方がよいといえます。
まとめ:不動産価格を自分で調べる方法を理解して売却活動に役立てよう!
不動産価格を自分で調べる方法や価格に影響するポイントなどを解説しました。
不動産ポータルサイトやAI査定などを活用すれば、ある程度の価格を自分で調べられます。
ただし、「調べた価格=実際に売れる価格」とは限らないため、あくまでもおおよその価格であることを理解しておきましょう。
「もっと具体的な価格を知りたい」と思う方は、不動産会社へ査定依頼したり土地の価格も調べてみたりすることで、より正確な不動産価格を把握できます。
戸建て売却を検討している方は、ぜひこの記事を参考に「売れそうな価格」を把握して、売却活動に役立ててみてください!