- 不動産仲介はどんなトラブルがあるの?
- トラブルが起きたらどこに相談すべき?
- 24時間相談できる機関を知りたい!
不動産仲介による売却を検討している方で、このような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実際、不動産仲介によるトラブルは数多くありますが、大切なのはトラブル時の対応です。
そこでこの記事では、不動産仲介時にトラブルに遭遇した際の相談先を一挙ご紹介します。
トラブルの多い不動産売却に備えて、事前に相談先を把握しておきましょう!
不動産仲介業者におけるトラブル事例
不動産仲介業者におけるトラブル事例をご紹介します。
どのようなトラブルが実際にあるのか参考にしてみましょう。
仲介手数料に関して不明瞭な請求をされた
不動産取引では、仲介手数料の不明瞭な請求が問題となるケースがあります。
例えば、不動産業者が仲介手数料の金額や支払い時期を明確にせず、契約後に法定上限を超える額を請求するケースです。
これにより、予期せぬ高額な費用負担を強いられる可能性があります。
このようなトラブルを避けるためには、契約時に以下の点を確認することが重要です。
- 支払う金額:仲介手数料がいくらになるのか
- 支払う時期:いつ支払うのか
- 追加の費用:他に名目を変えて請求される費用がないか
これらを事前に確認し、業者からの説明をしっかり聞くことで手数料に関するトラブルを未然に防げます。
物件の欠陥や問題点を告知されなかった
不動産取引では、物件の欠陥や問題点が事前に知らされないケースがあり、これが大きなトラブルにつながります。
例えば、過去に浸水被害があった物件で、その事実が買主に伝えられず、購入後に同様の被害が再発した事例があります。
このような場合、売主や仲介業者は、重要な情報を伝えなかった責任を問われる可能性があります。
物件購入を検討する際は、事前に物件の状態や過去の問題について詳しく確認し、納得した上で契約を進めることが重要です。
契約解除時の費用を請求された
不動産の売買契約を解除した際、仲介業者から費用を請求されるケースがあります。
これは、仲介業者が契約成立に向けて行った広告活動や手続きに費用がかかっているためです。
特に、専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合、解除時に広告費用の実費を請求される可能性があります。
そもそも、広告費用は依頼主からの依頼による場合にのみ有効であり、宅建業法でも以下のように定められています。
依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額及び当該代理又は媒介に係る消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額については、この限りでない。
引用:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」
つまり、依頼主からの依頼によって特別な広告活動をした場合は、適法に費用請求できるということです。
逆に言えば、特別な広告活動を依頼していないのに費用請求されれば違法請求の可能性が高いです。
もし、契約解除により費用を請求されたら、違法請求の可能性があるため、専門機関や専門家へ相談しましょう。
物件情報の誤った説明を受けた
不動産取引では、仲介業者からの物件説明が実際と異なるために、購入者が不利益を被るケースがあります。
例えば、物件の立地や設備に関する説明が事実と違っていた場合、購入後に想定外の問題が発覚し、生活に支障をきたすことがあります。
このような場合、状況次第では売主の契約不適合責任を問われる可能性があり、思わぬトラブルに発展するかもしれません。
1.契約不適合責任とは
売買契約において、引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときに、売主に発生する責任。
引用:東京都住宅政策本部「契約不適合責任に係るトラブルについて」
つまり、契約内容と違うことを理由に、買主から責任追及される恐れがあるのです。
契約不適合責任になった場合、契約解除や売買代金の減額、状況次第では損害賠償請求されるケースもあります。
このようなトラブルを避けるためにも、契約前に物件の詳細を自分でも確認し、疑問点は仲介業者に質問することが重要です。
重要事項説明に不備があった
重要事項説明とは、不動産取引において買主に伝えるべき重要な説明をする行為です。
売買契約前に不動産業者の宅建士が買主に向けて説明するもので、この説明をしなければ売買契約できません。
Q.宅建業法35条に定められる重要事項説明を怠った場合、宅建業者は、宅建業法上、どのような責任を負うことになるのでしょうか。
A.宅建業者は、売買・賃貸の契約が成立するまでの間に、書面を交付し、買主・借主に対し、取引主任者をして一定の重要な事項の説明をさせなければなりません(35条)。これが重要事項説明の義務です。宅建業法上、宅建業者が業務を行うにあたっての、最も基本的にして大事な義務ということができます。
引用:公益社団法人 全日本不動産協会「重要事項説明義務違反に対する監督処分」
しかし、この重要事項説明に不備があったり不十分だったりすると買主が損害を受ける可能性があります。
例えば、契約解除に関する事項、建物の不具合や欠陥に関する重要な事項を伝えなかった場合などです。
買主が「聞かされてない」と主張すれば、売主や売主側の不動産業者の責任となり、契約が取り消される場合もあります。
重要事項説明に関して売主に責任はありませんが、すべての不動産業者がしっかりと重要事項説明してくれるとは限らないため、不動産会社は慎重に選びましょう。
物件の境界に関する問題があった
不動産取引において土地の境界は非常に重要なポイントです。
建物や土地を売却する際、売主は土地の境界を明確にしておく必要があり、明確になっていないと引き渡し後にトラブルに発展する可能性があります。
また、境界線が曖昧だと隣人との関係が悪化し、最終的には法的な争いに発展する可能性もあります。
このような問題を避けるためには、事前に土地家屋調査士などの専門家に依頼し、正確な境界線を確認しておくことが重要です。
契約後に価格変更された
不動産仲介業者と契約した後に売却価格や諸費用が変更されるトラブルも少なくありません。
例えば、3,000万円で売れると言われて契約したのに、契約した途端に2,500万円でしか売れないと言われるケースです。
不動産業者としては売主と契約するために意図的に高めの価格を言ってくる場合があります。
しかし、不動産業者と契約(媒介契約)した後でも無償で契約解除できるため、不動産業者に不信感を抱いた場合は契約解除を検討しましょう。
不動産仲介業者とのトラブル時の相談先一覧
不動産仲介業者とのトラブルがあった際は以下の機関や専門家へ相談しましょう。
消費者センター
画像引用:国民生活センター
消費生活センターは、消費者からのさまざまな相談に応じ、適切な助言や解決策を提供してくれる公的な機関です。
全国各地に設置されており、電話や対面での相談が可能です。
例えば、国民生活センターの「消費者ホットライン」188(いやや)に電話をかけると、最寄りの消費生活センターにつながります。
専門の相談員が問題の内容を詳しく聞き取り、解決に向けたアドバイスをしてくれます。
また、必要に応じて関係機関への取り次ぎや法的手続きの案内もおこなっています。
住まいるダイヤル
画像引用:住まいるダイヤル
住まいるダイヤルは、住まいに関する幅広い知識を持つ建築士の資格を持つ相談員が対応し、問題解決の手助けをしてくれるサービスです。
国土交通大臣が指定した住宅専門の相談窓口で、年間3万件以上の相談実績があります。
また、必要に応じて弁護士や建築士との対面相談(専門家相談)や、裁判外での迅速な解決を目指す紛争処理手続きも利用可能です。
電話相談は平日10時から17時まで受け付けており、固定電話からは全国どこからでも市内通話料で利用できます。
法テラス
画像引用:法テラス
法テラスは、国が設置した法的トラブル解決のための総合案内所で、無料で法律相談の窓口や法制度の情報を提供しています。
専門のオペレーターが、あなたの状況に応じて適切な相談機関や法制度を紹介してくれるのが特徴です。
また、経済的に余裕がない場合には、無料の法律相談や弁護士費用の立て替えなどの支援も受けられます。
電話やメールで気軽に問い合わせが可能で、秘密は厳守されます。不動産トラブルで悩んだら、まずは法テラスに連絡してみましょう。
宅建協会
画像引用:宅建協会
宅建協会は、各都道府県に設置されており、不動産取引に関する無料相談所を運営している専門機関です。
各相談所では、不動産に関する一般的な相談や苦情に対応しており、専門の相談員が中立的な立場から助言を提供しています。
例えば、東京都宅建協会の不動産相談所では、電話や来所による相談を受け付けており、弁護士による法律相談も実施しています。
また、全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)も各地に相談窓口を設けており、会員業者との取引に関する苦情解決に努めています。
不動産適正取引推進機構(RETIO)
画像引用:不動産適正取引推進機構(RETIO)
不動産適正取引推進機構(RETIO)は、不動産取引に関する問題の未然防止や解決を目的とした組織で、消費者の保護と不動産業界の健全な発展に努めている専門機関です。
弁護士や不動産取引の専門家が間に入り、公平かつ迅速な解決をサポートしています。
不動産取引で困ったことがあれば、まずはRETIOに相談してみましょう。
専門家から適切なアドバイスを貰え、問題解決の手助けをしてくれます。
全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)
画像引用:全国宅地建物取引業保証協会
全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)は、不動産取引に関する苦情の解決を目的とした専門機関で、各都道府県に「不動産無料相談所」を設置しています。
各相談所では、専門の相談員が無料で相談に応じてくれます。
例えば、東京都では「東京都宅地建物取引業協会」が不動産相談所を運営しており、電話や来所での相談が可能です。
また、各都道府県の宅建協会でも同様の相談窓口を設けています。
相談の際は、契約書などの関連資料を持参するとスムーズです。
さらに、全日本不動産協会が運営する「全日不動産相談センター」でも、電話による相談を受け付けています。
日本弁護士連合会
画像引用:日本弁護士連合会
日本弁護士連合会は、全国各地に弁護士会の法律相談センターを設けています。
これらのセンターでは、日常生活でのさまざまな問題について弁護士に相談できます。
弁護士への相談は有料で、相談料は地域や内容によりますが30分でおおむね5,500円前後です。
費用はかかるものの、弁護士に相談することで法律に関する重大なトラブルでも適切に対応してくれます。
無料相談だけでは解決できない大きなトラブルに発展した際は相談してみましょう。
不動産仲介業者トラブルに関するよくある質問
不動産仲介業者トラブルのよくある質問をご紹介します。
仲介依頼を検討している方は参考にしてみましょう。
相談は無料ですか?
弁護士以外の機関へは無料で相談できるため、トラブルが起きた際は一度相談してみましょう。
ただし、機関によって専門分野が異なる場合があるため、公式サイトをチェックしてトラブルに見合った機関へ相談することが大切です。
24時間相談できますか?
不動産トラブルの相談先はいくつかあり、それぞれで対応時間が異なります。
例えば、「消費者センター」や「法テラス」は24時間対応且つ無料で相談できます。
万が一のトラブルにより早急に解決したい場合は相談してみましょう。
消費者センターはどこまでしてくれますか?
ただし、法的な強制力は持たないため、トラブル内容によっては解決が難航する場合があります。
重大なトラブルなどで一向に解決しない場合は弁護士へ相談するのがよいでしょう。
まとめ:不動産仲介のトラブル時は目的に合った機関へ相談しよう!
不動産仲介業者のトラブル事例や相談先をご紹介しました。
不動産仲介業者へ依頼しても、必ずスムーズに売却できるとは限りません。
なかには質の低い業者も存在し、契約や取引に関してトラブルが発生するケースがあります。
もし、トラブルに巻き込まれてしまったら、不動産取引に関する専門機関や弁護士へ早急に相談することが大切です。
特に不動産取引は高額になりやすいため、トラブル後の行動が重要です。
被害を最小限に抑えるためにも、不動産取引に関してトラブルが発生した際は、この記事でご紹介した専門機関へ相談しましょう。