- 不動産の仲介と買取の違いは?
- 自分は仲介と買取のどっちがいいんだろう?
- それぞれのメリットとデメリットを教えて!
不動産売却を検討している方で、このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
不動産の売却方法は主に「仲介」と「買取」が一般的ですが、それぞれの意味や仕組みを理解していない人も少なくありません。
そこでこの記事では、不動産の仲介と買取の違い、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
売却方法でお悩みの方はぜひ最後までご覧ください!
【どっちがいい?】不動産の仲介と買取の違い
仲介と買取では、不動産の売却方法や手順に大きな違いがあります。
仲介は、売主と不動産会社が媒介契約を結び、買い手を探して個人の買主へ売却する方法です。
わかりやすく言えば、売主と買主の間に不動産会社が入り、売買を進めてくれます。
一方で買取は、不動産会社が物件を直接買い取る方法です。
不動産会社が買主となるので買主を探す必要がなく、よりスムーズに売却できるのが特徴です。
このように、売却方法や期間、手順などが異なるため、売却の目的や状況に合わせて選ぶことが大切です。
不動産の仲介とは
不動産の仲介とは、売主と買主の間に不動産会社が入り、取引をサポートする方法です。
売主は不動産会社と媒介契約を結び、買主を探す活動をおこないます。
この方法では、売主が希望する価格での売却に期待できますが、買主が見つかるまでに時間がかかる場合があります。また、仲介手数料が発生します。
不動産仲介のメリット
不動産仲介のメリットは以下の3点です。
- 売却活動を不動産会社へ任せられる
- 高額売却できる可能性がある
- ほとんどの不動産会社が対応している
それぞれを詳しく解説します。
売却活動を不動産会社へ任せられる
売却活動を不動産会社へ任せられるのが大きなメリットです。
不動産会社は、適正な価格の査定や効果的な宣伝活動をおこない、買い手との交渉や契約手続きもサポートします。
これにより、売主は専門的な知識がなくても安心して売却を進められます。また、契約書類の作成や手続きも代行してくれるため、手間が省けます。
さらに、トラブルが発生した際も不動産会社が対応してくれるので安心です。
このように、不動産会社に売却活動を任せられ、スムーズで安全な取引をできる点が仲介のメリットといえます。
高額売却できる可能性がある
仲介は、個人の買主へ売却するため、売却相場どおりの価格で売れる可能性があります。
また、不動産のプロである担当者が仲介するため、適切な売り出し価格を設定してくれます。
不動産取引が初めての方は「いくらで売り出せばいいんだろう?」と悩みがちですが、仲介を依頼すれば任せられるので初めての方でも高額売却できるかもしれません。
ほとんどの不動産会社が対応している
ほとんどの不動産会社が対応しているのもメリットです。
仲介は、一般的な不動産取引の方法であり、多くのケースで仲介が用いられています。
そのため、ほとんどの不動産会社が仲介に対応しており、相談しやすいのが特徴です。
「仲介対応している不動産会社が近くにない」というケースはほとんどないため、依頼先の不動産会社を見つけやすいのもメリットでしょう。
不動産仲介のデメリット
不動産仲介のデメリットは以下の5点です。
- 売却に時間がかかる場合がある
- 内覧の手間や準備が必要
- 仲介手数料がかかる
- 買主に値下げされる場合がある
- 周囲に知られる恐れがある
メリットと併せて確認しておきましょう。
売却に時間がかかる場合がある
売却に時間がかかる場合があるのが大きなデメリットです。
買い手が見つかるまで平均して2~3ヵ月を要し、場合によっては半年以上かかるケースもあります。
この期間中、固定資産税や管理費などの維持費を支払い続ける必要があり、金銭的な負担が増える可能性があります。
また、内覧対応や物件の清掃など、売却活動に伴う手間も発生します。
売却を急ぐ場合や手間を省きたい場合は、不動産会社による直接買取を検討することも一つの方法です。
内覧の手間や準備が必要
仲介は、内覧の手間や準備が必要です。
内覧とは、購入希望者が実際に物件を訪れて外観や室内状況を見て周ることです。
内覧が上手くいけば購入希望者に好印象を与えられるので成約できる可能性が高くなります。
そのため、売主は部屋の掃除や不用品の処分などを事前にしておく必要があるのです。
しかし、内覧したからといって必ず成約できるわけではありません。
また、内覧回数が増えればその分掃除や部屋の整理などの回数も増えるため、手間や時間がかかります。
このように、個人が買主となる仲介では、内覧に手間や時間がかかることを理解しておきましょう。
仲介手数料がかかる
不動産仲介を利用する際、仲介手数料が発生する点に注意が必要です。
仲介手数料は、不動産会社が物件の紹介や契約手続きなどをサポートする対価として支払うものです。
しかし、仲介手数料は物件価格や家賃に応じて高額になることがあり、購入者や借主にとって大きな負担となります。
特に、売買物件の場合、仲介手数料は物件価格の3%に6万円を加えた額が上限とされています。
例えば、3,000万円の物件では約96万円の手数料がかかる計算です。
このように、仲介手数料は初期費用を増大させる要因となるため、物件選びの際には手数料の有無や金額を事前に確認し、総合的なコストを考慮することが重要です。
買主に値下げされる場合がある
買主から物件価格の値下げを求められる可能性があります。
仲介手数料や諸費用を抑えたい買主が売主に直接価格交渉をおこなうケースでよく見られます。
特に、物件の状態や市場の需要によっては、買主が強気に値下げを要求することもあります。
その結果、売主は当初の希望価格で売却できず、利益が減少するかもしれません。
また、値下げ交渉が長引くと売却までの期間が延び、売主にとっての負担が増すことも考えられます。
周囲に知られる恐れがある
売却活動を近隣住民に知られる恐れがあるのも仲介のデメリットです。
仲介会社は購入希望者を探すために広告を出したり、近隣にチラシを配布したりすることが一般的です。そのため、物件の売却情報が周囲に伝わりやすくなります。
また、内覧回数が増えれば購入希望者と担当者が毎回家に出入りするため、近隣住民に気づかれやすくなるでしょう。
近隣住民に知られたくないのでれば、不動産買取にするか早急に売却できるように計画する必要があります。
不動産買取とは
不動産買取とは、家や土地を不動産会社が直接買い取る方法です。
仲介よりも短期間での売却が可能となり、買い手を探す手間が省けます。
そのため、早急に売却したい方や仲介での売却が難しい物件を持っている方に適した方法といえるでしょう。
不動産買取のメリット
不動産買取のメリットは以下の4つです。
- 早く売却できる
- 仲介手数料が不要
- 不用品の処分や整理が不要
- 売れにくい物件でも買い取ってくれる
それぞれを詳しく解説します。
早く売却できる
不動産買取は、仲介よりも早く売却できるのが大きなメリットです。
不動産会社へ直接買い取ってもらうため、仲介のような買主探しの手間や時間がかかりません。
売却までの期間は1ヵ月前後、早いと1週間で買取が完了します。
仲介手数料が不要
仲介手数料がかからないのも買取ならではのメリットです。
仲介手数料は、不動産会社に仲介してもらって買主と契約した際に不動産会社へ支払う費用です。
しかし、買取は不動産会社へ直接売るため、仲介手数料が発生しません。
仲介手数料は「売買価格×3%+6万円」が上限であり、売買価格によっては高額になるケースがあります。
その点、買取なら仲介手数料が発生しないため、売却時の費用を安くできます。
不用品の処分や整理が不要
不用品の処分や整理が不要な場合があるのも買取のメリットです。
不動産会社によっては、部屋にある不用品をそのまま買い取ってくれるケースがあります。
そのため、処分費用や手間を省けるため、よりスムーズに売却できます。
ただし、そのままの状態で買い取ってくれるかどうかは不動産会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
売れにくい物件でも買い取ってくれる
買い手の付かない売れにくい物件でも買い取ってくれるのも買取ならではのメリットです。
例えば、以下のような物件でも買い取ってくれる可能性が高いです。
- 築年数が経過した古い家
- 周辺の利便性の悪い物件
- 駅から遠い物件
- 事故物件
これらの物件でも積極的に買い取ってくれる不動産会社は存在するため、一度相談してみましょう。
不動産買取のデメリット
不動産買取のデメリットは以下の3つです。
- 仲介よりも売却価格が安い
- 対応していない不動産会社がある
- 価格交渉しにくい
それぞれを詳しく解説します。
仲介よりも売却価格が安い
仲介よりも売却価格が安くなるのが買取りのデメリットです。
具体的には、仲介価格の7~8割程度となるのが一般的であり、高く売りたい方には向いていません。
買取は、不動産会社が直接買い取り、その後リフォームやリノベーションをおこない、再販して利益を得ます。
不動産会社としては「安く仕入れて高く売る」ことで利益を得たいため、どうしても買取価格が安くなってしまうのです。
買取を依頼する場合は、仲介価格よりも安くなるのを理解しておきましょう。
対応していない不動産会社がある
買取に対応していない不動産会社があるのもデメリットです。
買取はすべての不動産会社が対応しているわけではありません。
むしろ、仲介よりも対応していない不動産会社の数が多い傾向にあります。
依頼する際は買取りに対応しているかどうかを確認しておきましょう。
価格交渉しにくい
不動産買取は価格交渉しにくいです。
不動産会社へ直接買い取ってもらうため、基本的に交渉先は不動産会社となります。
しかし、不動産のプロである不動産会社相手の価格交渉は難航するケースが多く、相場通りの買取価格となるのが一般的です。
仲介であれば一般の買主との交渉となるため、価格交渉が上手くいくケースもあります。
買取を検討している方は、価格交渉しにくい点を理解しておきましょう。
不動産仲介・買取のどっちがいい?
ここまで不動産仲介と買取のメリットとデメリットを解説してきました。
しかし、「自分はどっちがいいんだろう」「結局どっちで依頼すればいいの?」と思っている方もいるでしょう。
そんな方に向けて、仲介と買取のおすすめなケースを解説します。
仲介がおすすめなケース
仲介がおすすめなケースは以下のとおりです。
- 高く売りたい
- スケジュールに余裕がある
- 需要のある物件を売る
仲介は買取りよりも高く売れやすいため、高額売却したい人に向いています。
また、買主探しや内覧などが含まれるため、売却までに3ヵ月以上かかるのが一般的です。
そのため、スケジュールに余裕がある方にもおすすめです。
需要のある物件であれば買主が見つかりやすく、高額売却にも期待できます。
買取がおすすめなケース
買取がおすすめなケースは以下のとおりです。
- 早く売りたい
- 売却時の費用を抑えたい
- 需要の少ない物件を売りたい
- 不用品の処分や整理が面倒くさい
買取は、不動産会社へ直接売却するので1週間~1ヵ月程度で売却できます。
費用に関しては、仲介手数料が不要なため、売却時の費用を少しでも抑えたい方におすすめです。
また、築古物件や訳アリ物件などの需要の少ない物件でも買い取ってくれる可能性が高いです。
さらに、不用品などもそのままの状態で買い取ってくれるケースもあるため、部屋の掃除や不用品の処分などが面倒な方にも向いています。
「不動産の仲介と買取はどっちがいい?」に関するよくある質問
「不動産の仲介と買取はどっちがいい?」に関するよくある質問をご紹介します。
仲介と買取に関しての疑問を参考にしてみましょう。
- 不動産買取で仲介手数料は発生する?
- 不動産買取の注意点は?
- 不動産買取のよくあるトラブルは?
不動産買取で仲介手数料は発生する?
不動産買取は不動産会社へ直接売却する方法のため、仲介手数料は発生しません。
売却にかかる費用を抑えたい方は買取りがおすすめです。
不動産買取の注意点は?
不動産買取は、仲介価格の7~8割程度での売却となるのが一般的です。
例えば、仲介であれば3,000万円で売れた物件でも、買取なら2,100~2,400万円での売却となります。
また、買主は不動産取引のプロである不動産会社であるため、場合によっては理由を付けて相場よりも安く買い叩かれる可能性があります。
買取を依頼する際は、複数の不動産会社を比較して、より信頼できる不動産会社へ依頼しましょう。
不動産買取のよくあるトラブルは?
- 高額な手数料を請求された
- 査定後に買取価格を減額された
- 土地の境界で揉めた
- 強引に営業された
不動産買取は本来仲介手数料はかかりません。しかし、何らかの名目で契約後に手数料を請求してくる悪徳業者が存在します。
また、査定して契約した後に実際の買取価格を減額してくるケースもあります。
ほかにも、土地の境界が明確になっていない状態での買取のはずが、契約後に「境界を明確にしてください」などと言われる場合もあります。
このように、不動産買取時はさまざまなトラブルが発生する可能性があるため、慎重に進めましょう。
詳しくは、「不動産買取の注意点8選を徹底解説!トラブル事例や仲介との違いも紹介」をご覧ください。
まとめ:不動産の仲介と買取のどっちがいいか理解して理想の売却を実現しよう!
不動産の仲介と買取の意味や違いなどを解説しました。
仲介と買取は、買主に大きな違いがあり、方法によって売却期間や売却の手間などが大きく異なります。
そのため、売却の目的や状況、スケジュールなどを考慮したうえで売却方法を選択することが大切です。
一般的には、「高く売りたいなら仲介」「早く安く売りたいなら買取」とされているため、よく検討したうえで判断しましょう。
不動産売却を検討している方は、ぜひこの記事を参考に「仲介にするか買取にするか」を判断してみてください。